「ドライマウス」という症状を聞いたことがありますか?テレビや雑誌などのメディアでも目にすることが多くなってきたドライマウス。言葉通り口の中が乾き、物が食べづらくなったり味に異常を感じたりする症状のことです。ドライマウス自体は病気ではなく、唾液が少ないと自覚する症状のことを指します。ストレスをはじめとした様々な原因によって引き起こされ、近年ではドライマウスの専門外来が設置されている医院もあります。
もくじ
ドライマウスの症状
ドライマウスは、口腔乾燥症ともいい、唾液の量が減って口の中が乾燥する状態を指します。乾燥する状態が続くことで、口臭や舌の痛み・口の中のネバネバや味覚障害が起こるなど様々な症状を伴うことがあります。唾液の分泌が減ることで虫歯や歯周病の原因にもなります。日本にはドライマウスの予備軍が約3,000万人いるといわれていますが、ドライマウスを自覚している人はその3割にも満たないと推定されています。
口の中の乾燥が気になる方は、口腔カンジタ症や重度の歯周病を引き起こす前に対策を講じる必要があります。
ドライマウスの原因とは
1:唾液分泌量の減少
ストレス・喫煙・薬の副作用などによって唾液の分泌量が減るとドライマウスになることがあります。特にストレスはドライマウスに限らず様々な病気の原因となる可能性があります。唾液の分泌は自律神経によってコントロールされているため、緊張したりストレスを感じたりすると交感神経が優位になり唾液の分泌が抑えられてしまいます。
反対に、リラックスしているときは副交感神経の働きによって唾液はよく分泌されます。緊張していると口臭が強くなる原因もこれと同じです。そのようなときは、舌をぐるぐる回して唾液を分泌させるか、深呼吸などの自分なりのリラックス方法を実践するといいでしょう。
2:身体の水分不足(脱水状態)
糖尿病や腎不全などの持病で脱水状態になると口の中が乾きやすくなりドライマウスの症状が出やすくなります。これは寝起きの状態も同様です。寝ておきたときの口臭が気になる場合は水分を補給することで症状は緩和します。また、口呼吸をする癖のある人や、眠っているときにいびきをかく人は唾液が蒸発して減りやすくなるため喉の痛みとともに口の中が乾きやすくなります。
ドライマウスの対策・症状改善の方法
ドライマウスによって口臭などの症状を引き起こすと、日常生活にも支障が出ることがあります。きちんとした対策をとることが大切です。
健康診断・検査をしっかり行う
上記のようにドライマウスには様々な原因となり、直接的に唾液を増やせる場合とそうでない場合があります。まずは原因を明らかにするために健康診断や検査を行うことが大切です。口の中の強い乾燥だけが続く場合は歯科を受診しましょう。
また、ドライマウスは唾液を増やすことが一番の抑制・対策です。
食生活改善によるドライマウス抑制
現代の食生活では唾液を十分に出さなくても飲み込めてしまうような食事が主流になっています。また、ファーストフードのほとんどがこのような食事にあたります。子供のころに「良く噛んで食べる」ということを言われたことがあるかと思います。これは食べ物を細かくすることで消化を良くするだけにとどまらず、唾液を多く分泌させるという効果もあります。1日に一食はゆっくりと噛みごたえのある食事に変えると唾液の分泌を促す効果が高まります。
ガムを噛んでドライマウスを抑制する
ガムを噛むことによって唾液の分泌量が増加して、口の中の乾燥を防ぐことができます。唾液には殺菌作用や自浄作用が働くため、口の中の健康にも役立ちます。また、最近ではシュガーレスでホワイトニング効果のあるガムもあるため、唾液がステインの沈着を抑制してくれる効果と相まってホワイトニングの効果も高まります。
ストレス解消によるドライマウスの抑制
ドライマウスはストレスによっても引き起こされます。一時的な緊張でもドライマウスの症状は起こりますが、日常的なストレスによってドライマウスが続いている場合は要注意。適度なストレス解消でしっかりと身体を休めましょう。ストレスはドライマウスに限らず様々な病気の元になります。
ドライマウスの原因と対策まとめ
ドライマウスには色々な原因があり、何が原因でドライマウスになっているかを自己判断するのは危険です。気になる症状が続いたらお近くの歯科医院で受診しましょう。また、適度にストレス解消することは健康でいるための必要条件です。適度な休養を心がけましょう。