定期的な検診や治療で歯科医に行くと、歯茎の間の歯石も取ってもらうことが多いですよね。
歯石が詰まっているほど痛いので、苦手な方もいらっしゃると思います・・・が、これが歯にとってはとても大事なこと。
何もケアしないでいると黒い歯石ができてしまうかも!
もくじ
歯石の種類
歯垢は白色や黄白色なので、歯石も白いものとイメージするかと思いますが、大きく分けて以下の二種類があります。
- 歯ぐきの上についている白く見える歯石(歯肉縁上歯石、略して縁上歯石)
- 歯周ポケットの中についている普段は見ることのできない黒い歯石(縁下歯石)
そして、白い歯石より黒い歯石の方がはるかに危険なのです・・・
歯石の色は白いのが普通ですが、歯石が黒い場合は口の中で何らかのトラブルが発生しており、身体が危険信号を出している証拠です。
白い歯石と黒い歯石の違い
黒い歯石は歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)と呼ばれ、血液が混ざっているせいで黒くなっています。
一方で白い歯石は、プラークと呼ばれるネバネバの細菌の塊と、唾液の中に含まれるリン酸カルシウムが結合し、歯の表面でかたまって石のようになったものを指します。
白い歯石は子供から大人まですべての人の口の中で見られます。
黒い歯石の特徴
黒い歯石の正体は、歯垢に血液が混ざったものです。
血液中の赤血球が含まれているため黒く見えます。
当然、出血することが多い人ほど黒い歯石ができやすく、歯茎から血が出る原因の約90%は歯周病です。
つまり、白い歯石は赤ちゃんから大人まで誰にでもできるのに対して、黒い歯石は歯周病の人にできる可能性が高いといわれています。
黒い歯石ができやすい場所
黒い歯石は、歯茎からの出血が起こりやすい歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)にできます。
「歯肉縁上歯石」と呼ばれる白い歯石に対して、目に見えない歯茎の中にできることから「歯肉縁下歯石」と呼ばれています。
黒い歯石は頑固にこびりつく
黒い歯石は、歯肉縁上歯石と比べるとゆっくり時間をかけて作られます。
そのため密度が高く歯に頑固にこびりつくため、白い歯石よりも除去が難しいのです。
黒い歯石を放置すると危険
黒い歯石を放置しておくと、歯を支える骨が溶かされてグラグラするようになり、最終的に歯を失うことに・・・
黒い歯石ができるのは歯茎からの出血が頻繁に起こっている状態であり、それは歯周病が悪化していることを意味しています。
放置すると危険なため、歯石を除去して歯周病を改善する必要があります。
黒い歯石の除去方法
歯科医に行くとどのような方法で歯石を除去するのか気になる方もいると思います。
スケーリング
先が鎌状になっているスケーラーという器具を使用して歯石を取り除きます。
超音波スケーラーは毎秒25,000~40,000回の振動によって、歯石を粉々にして除去します。
振動の力によって、歯の根に頑固にこびりついた黒い歯石も落とします。
歯周ポケット内の細かい作業は、スケーラーを使用して手動で削るように除去します。
黒い歯石は付着力が強く歯の根の形は複雑なため、歯石除去を1度に行うと2~3時間かかることも・・・
そのため数回に分けて歯石を除去していきます。
フラップ手術
麻酔をしたあと、歯茎を切開して歯の根元に付着した歯石を除去する外科的処置です。
歯周ポケットの深さが4mm以上のスケーラーが届かない場所にある歯石を取り除くときに用いられます。
歯石を取り終わったら、歯茎を縫って1週間後を目安に抜糸を行います。
歯石を予防する方法
自分で予防をすることも忘れずに!
正しい歯磨きをする
毎日の歯磨きで歯垢をしっかり落とすことが、黒い歯石とその原因である歯周病を改善するのに重要です。
出血のない歯肉を保ち、歯垢を落として歯石が溜まりにくい口内環境を作りましょう。
そのためにも正しい歯磨きを行う必要があります。
デンタルフロス、歯間ブラシを使う
歯石は歯と歯の間にもできやすいです。
この部分は歯ブラシだけでは歯垢を取り除きにくいので、デンタルフロスや歯間ブラシを使ってケアするようにしましょう。
デンタルフロスは柄の付いた「ホルダータイプ」と、糸を切って使用する「糸巻きタイプ」
歯間ブラシには、「I字型」と「L字型」の2種類があります。
デンタルフロスも歯間ブラシも、夜寝る前の歯磨きが終わった後に行うのがもっとも効果的です!
通常のブラッシングでは58%ですが、デンタルフロスでは85.9%、歯間ブラシを併用した場合は95.2%の歯垢を除去できるといわれています。
歯垢をしっかり取って歯周病による出血を抑えることができれば、黒い歯石ができるのを予防できます。
まとめ
自分で歯石を取るのは厳禁です。
ゴリゴリと無理やり取ろうとすると歯を守っている歯の表面のエナメル質を傷つけてしまい、虫歯になりやすくなったり、歯の表面に汚れが溜まって黄ばんできたりと、かえって口内環境を悪化させてしまいます。
治療がなくても定期的に検診に行って、必ず歯科医で取ってもらいましょう。